Cynara 属


チョウセンアザミ 属

 Cynara 属は、1753年にリンネによって創設されました。Cynara- は「犬」を表す語の派生語で、硬く鋭い総苞片の棘を牙にたとえたものです。

 Cynara(チョウセンアザミ)属は地中海周辺からヨーロッパにかけて分布し、10種ほどのメンバーを擁しています。(下の欄内の学名は、synonym(異名)の整理ができていません。種の数はもっと少なくなるはずだと思われます。)

 

学 名
主なリンク先
Cynara cardunculus, L., 1753, Cardoon
C. cardunculus, L. subsp. cardunculus (C. cardunculus L. subsp. flavescens, Wiklund 【地中海北・南西地域】)
C. cardunculus subsp. flavescens, Wiklund, 1992
C. cardunculus L. var. altilis, DC., 栽培種
C. cardunculus L. var. sylvestris, (Lamk) Fiori, 野生種
Botanical Department - University of Cataniaのカルドン(これは本物)

SILVESTRES カルドン
青木さんのカルドン (?)
NC State Universityカルドン (?)
Henriette's plant photosカルドン (?)
hort.net photo galleryカルドン (?)
Monticelloカルドン (?)
Dave's Gardenカルドン (?)

C. scolymus, L., 1753
C. scolymus (C. cardunculus var scolymus)(C. Cardunculus, var. sativa, Moris), Globe Artichoke

青木さんのアーティチョーク
UW-Madison Department of Botany
UW-Madison Department of Botany
Henriette's
HEXAL
C. humilis, L., Wild Artichoke
C. humilis var. leucantha.

InterNatura SILVESTRES
C. algarbiensis, Cosson ex Mariz [S Portugal and SW Spain]
C. auranitica, 【主にヨーロッパ中西部】
C. algarbiensis, Cosson
C. baetica, (Sprengel) Pau (C. alba, Boiss. ex DC.)
C. cyrenaica, Maire & Weiller (Rottemberg and Zohary 1995)
C. cornigera, (Lindely) (syn. C. sibthorpiana Boiss.), 【ギリシャ】
C. foeniculum, 【地中海、カナリア諸島】
C. glomerata, Thunb.
C. horrida, Ait. (C. cardunculus L. var. ferocissima Lowe)
C. hystrix, (C. baetica ssp. maroccana Wiklund, 1992, 【スペイン南部とモロッコ北部】)
C. peduncularis
C. syriaca, Boiss
C. tournefortii, Boiss. et Reuter
C. baetica SILVESTRES(白)
C. histrix Annie's
C. peduncularis aboutgardenplants.com

 現在、(雑種を含めて)日本で見られるのは上欄黄色背景色の3種に限られると思われます。どれも径 5cm 級、あるいはそれ以上の大型の頭花をつけ、草丈も 50cm 〜 2.5m に達します。(フランスのある植物図鑑は 20 cm 〜 1.5 m と記述していますが、日本では2m以上になることは珍しくありません。フランスでも、リヨンの植物園で 2 m を超すものを見ているので、1.5 m は 2.5 m の誤りであろうと思われます。)
 「朝鮮アザミ」という和名がどの種を指すかという問題については混乱があり、加えて、目の前に実在する株が“Cynara scolymus”なのか“Cynara cardunculus”なのかという問題については、雑種問題と併せて、明確な指標がありません。
 “scolymus”はローマ時代から栽培されてきたとされるほど古い「野菜」で、原種が見つかっておりません。人の手で作り出された農作物と考えるべき物で、“cardunculus”から派生したと考えられています。各地でさまざまな改良が加えられ、総苞片や葉の刺を失った品種も多く栽培されています。
 困ったことに、“cardunculus”も畑や庭園で栽培されているのです。交配による積極的な品種改良や自然淘汰による性質の選択は行われたでしょうし、“scolymus”との交雑も起こっているようです。そのために、どちらとも判別しかねる個体にヨーロッパ各地でお目にかかります。「棘なしカルドン」という変種または品種の記載がありますから、棘の有無では区別がつきません。さらに最近は、日本でも園芸品種として両者が(雑種も含め、明確に区別されずに)売られ、栽培されています。
 棘がなければ scolymus、固い棘だらけのものは cardunculus、と割り切ることができれば単純ですっきりするのですが、前記のように、現実は簡単には行きません。

 和名の問題については、両者ともに「チョウセンアザミ」と呼ばれているのが実情で、正式には(日本には野生せず、園芸品種として江戸時代中期に移入されましたから)どちらに与えられた和名であるかは判然としません。(ただし、日本の現状から見ると、初期に輸入されたのは scolymus であろうと推察され、「チョウセンアザミ」は scolymus の和名として良いと思われます)。 そもそも“scolymus”と“cardunculus”との境界が存在しないとしたら、和名の帰属も決着のつけようがないわけです。二つを区別して学名を与えたのはリンネですが、その時すでにさまざまな中間形態の品種は存在していたはずであると思われます。
 【日本の育苗業者・園芸業者は、このふたつの学名を全くでたらめに使用していますから、信用できません。日本には、正真正銘のカルドンは移入されていないようで、「カルドン」と称しているものも実は棘の多い scolumus か雑種である場合がほとんどと思われます。日本の現状では、棘のない品種は scolymus と思って良いでしょう。】

 いずれこの決着は、遺伝子分析による解析に任せられることでしょう。このホームページでは、C. scolymus を C. cardunculus var scolymus として扱い、「朝鮮アザミ」一種にまとめます。


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 随時少しづつ増設して行きます。時々覗きに来てください。